●感染症予防のため必ず法定期間内に接種を

麻しんウイルスは未接種者が増えていくと、再びはしかの大流行の危険性が高まります。
麻しんウイルスは、世界中に常在していて感染力が強く、免疫のない人が感染を受けるとほぼ100%はしかを発症します。はしかは、肺炎や髄膜炎(1000人に1人の割合で発症)を起こすことがあり、成人の場合は、重症な経過をとることが多く、死亡することもあります。治って10年以上たってから、全身がマヒして死に至る合併症『亜急性硬化性全脳炎(SSPE)』が発症することもあります。麻しんに効く抗生物質はありませんので、かかると大変怖い病気なのです。
また、風しんは、風しんウイルスの飛沫感染により起こる病気です。潜伏期間は2~3週間で、軽いかぜ症状で始まり、発疹、発熱、頸部リンパ節の腫れ(おもに耳の後ろ側、くび、後頭部にみられます。)などが主症状です。子どもの場合は3日程度でなおる事が多いため、「三日ばしか」とも呼ばれます。風しんは比較的軽い病気と思われがちですが、麻しんと同じく対症療法による治療しかないうえ、合併症として血小板減少性紫斑病が患者3,000人に1人、急性脳炎が患者6,000人に1人の割合で発生するなど、軽く見るべき病気ではありません。なお、大人が風しんにかかると子どもの場合より重症になることが多いと言われています。さらに大きな問題として、妊娠早期の女性が風しんにかかった場合、先天性風しん症候群(心臓病、白内障、聴力障害が主症状)という病気を持った赤ちゃんが生れる可能性が高くなります。
はしかや風しんの唯一の予防策は麻しん風しん混合(MR)ワクチンの2回接種です。せっかく予防接種を受けても1回だけの接種では充分な免疫はつかないことが多いのです。
MRワクチンを接種していない人が年々増えていくと、再びはしかや風しんが大流行する危険性が高まっていきます。
MRワクチンは、1期と2期に2回接種します。1期の法定期間は1歳から2歳未満、2期は5歳以上7歳未満で小学校就学前の1年間です。期間内に接種してください。
※麻しん風しん(MR)の3期(中1)・4期(高3)と小学校6年生対象の任意接種(無料)は平成24年度末で終了しましたのでご注意ください。

★任意接種期間(無料)★
江東区では事情により法定接種期間内に接種できなかった方に、任意接種期間(無料)を設けています。接種を希望する場合は、母子手帳を持参のうえ、江東区内指定医療期間で接種してください。
※できるだけ法定接種期間内に接種してください。任意の予防接種は予防接種法に基づかない接種となるため、万一健康被害が発生した場合は予防接種法による救済の対象となりません。医薬品医療機器総合機構法等で定める救済の対象となり、救済の内容が法定接種とは異なります。

◆注意事項◆
任意接種期間については江東区内の指定医療機関での接種のみ無料となります。

▼麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種期間▼
●1歳~2歳未満
【接種の種類】1期法定接種(無料)
【接種できる医療機関】23区内指定医療機関

●2歳~5歳になった年の年度末
【接種の種類】任意接種(無料)
【接種できる医療機関】江東区内指定医療機関

●小学校就学前の年度1年間
【接種の種類】2期法定接種(無料)
【接種できる医療機関】23区内指定医療機関

●小学校1年~小学校4年生の年度内
【接種の種類】任意接種(無料)
【接種できる医療機関】江東区内指定医療機関